ローカライゼーション専門家がもたらす3つの影響

「ローカライゼーションはバイリンガルやマルチリンガルであれば誰でもできる」
この認識は誤りです。

通常グローバルIT企業には、ローカライゼーションチームがあり、外部の言語サービスプロバイダーとも協力しています。ローカライゼーションの専門分野は、デスクトップパブリッシング(DTP)、テクノロジー、プロジェクト管理、ターミノロジー、翻訳など複数あり、その企業の対象製品にあった各分野のローカライゼーション専門家によって、ローカライゼーションチームが成り立っています。

ローカライゼーション専門家の利点を紹介します。

生産性の向上

ローカライゼーション専門家は生産性を向上します。製品リリース、製品アップデート、仕様変更、使用言語を増やす時などに、各分野(ソフトウェア、マニュアル、サポートシステム、ウェブサイトなど)のローカライゼーションを行います。各分野の専門家は、効率的なローカライゼーションプロセスを熟知しています。よく使われているシステムは、翻訳管理システム(TMS)で、複数のプロジェクトを管理します。このような様々な専門スキルを持った専門家が、開発部門やマーケティング部門など様々な部門と連携し、ローカライゼーションを行います。こうしたコラボレーションやローカライゼーションのスキルが、企業の生産性向上をサポートします。

ブランディング

翻訳は、翻訳経験を積んだバイリンガルやマルチリンガルの翻訳者が元言語に忠実に他言語へ変更します。一方、ローカライゼーションは、伝えたいことについて、対象文化にあった文章やその地域の読み手にとって自然な文章をつくります。対象の例として、広告文やキャッチコピーなどがあります。一方、ローカライゼーションでは、元言語の文章の意図をその地域にあわせて伝えることが重要なので、異なる文章にすることもあります。これはブランディングにもつながります。

お客様満足度

一貫した文章は、読みやすく理解しやすいのでお客様満足度が向上します。ソフトウェア、マニュアル、サポートシステム、ウェブサイトなどで一貫した翻訳になるように、ローカライゼーション専門家は、スタイルガイドとターミノロジーと翻訳メモリ(TM)を使います。スタイルガイドは、文章スタイルの規定です。例えば、「可能です。」は使うかどうかなど、読みやすさを目安に決めます。ターミノロジーは、専門用語の翻訳規定です。用語を体系的に分析し、専門用語を特定して、ターミノロジーをつくります。例えば、元言語の「integration」を翻訳する際、「インテグレーション」と「統合」のどちらを使うかなども規定します。TMは、同じ製品の以前のバージョンの翻訳など、これまでの翻訳との一貫性を保つために、翻訳データが保存されたデータです。TMSには、QAチェックを設定します。このQAチェックでは、主にスタイルガイドのルールを正規表現を使って設定します。スタイルガイドに沿っていない文章や間違った翻訳などを見つけて修正します。また、その言語のネイティブによる確認を行います。このようにシステムやツールを設定し、様々なローカライゼーションで一貫性を保って、グローバル・ユーザが使いやすい製品が提供します。

まとめ

ローカライゼーション専門家のスキルは、言語のみではありません。専門分野の知識を兼ね備えた言語の専門家であり、グローバルビジネスにかかせないチームです。

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